応用情報技術者試験|難易度・合格率・勉強時間と2026年度変更点を解説

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IT資格の中でも高い知名度を誇る応用情報技術者試験について、内容や特徴を詳しく解説します。

応用技術者試験はIT分野でキャリアを築く社会人や、より専門的な知識を習得したい学生、他業界からIT職へ転身を目指す方など、幅広い層にとって挑戦する意義のある国家試験です。ITが欠かせない現代社会において、その価値は年々高まっています。

本記事では、応用情報技術者試験の概要・出題範囲・難易度・合格率・効果的な勉強法までを網羅しています。
ぜひこちらの記事を参考にして応用情報への理解を深めてください。

目次

応用情報技術者試験の概要

応用情報技術者試験とは

応用情報技術者試験は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構) が主催する国家試験です。

引用: IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「試験区分一覧」より

また応用情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する情報処理技術者試験の中でも、
「レベル3」に位置づけられており、IT分野の中堅技術者レベルであることを証明します。

レベル試験名概要
レベル1ITパスポート試験ITの基礎的な知識が問われる試験。
IT初心者や大学生にも人気。
レベル2基本情報技術者試験基礎的なIT知識と簡単なプログラミング、アルゴリズムをが問われる試験。
ITエンジニアの登竜門。
情報セキュリティマネジメント試験セキュリティに関する基礎的知識をが問われる試験。
業界を問わず、セキュリティに関連する社会人が幅広く受験。
レベル3応用情報技術者試験設計、運用、マネジメントなど応用的な知識を問われる試験。
中堅技術者レベル。
レベル4高度試験区分高度な専門分野の知識やマネジメントスキルが問われる試験。
スペシャリスト・専門家レベル。


応用情報技術者試験は20代後半~30代前半の受験者数が多くなっている事から、中堅技術者の方が受験する資格となっています。しかし、近年のIT教育の発展から更に若手の方の受験者数が増加傾向にあります。

試験日程・実施回数

応用情報技術者試験の実施回数と実施方式について、現行方式と比較して2026年度以降大きく変更予定となっています。

項目現行方式(2025年度時点)変更後方式(2026年度以降)
実施回数年2回(春・秋)年間を通じて受験可能
実施方式PBT方式(ペーパー試験)CBT方式(コンピュータ試験)
申込方法Webサイトから申し込みWebサイトから申し込み

応用情報技術者試験はこれまで受験回数が春と秋の年2回に限定されておりましたが、2026年度より年間を通じて受験可能に変更予定となっています。また、実施方式も現在はペーパー方式で試験を実施しておりますが、2026年度以降CBT方式となり、コンピューターでの試験実施に変更予定となっています。

受験料(2025年時点)

応用情報技術者試験の受験料は、7,500円(税込)です。

資格試験としてはやや高めに感じるかもしれませんが、国家資格としては標準的な価格帯に収まっています。特に、応用情報は高度IT人材へのステップアップ資格として位置づけられており、合格すれば専門性の証明や就職・転職活動での評価向上に繋がるため、支払う金額以上のリターンを見込める金額であると考えることができます。

応用情報の試験概要と試験制度

試験方式の変更について(2026年度実施)

応用情報技術者試験は、現在(2025年度)までは紙で行うPBT方式で、春期と秋期の年2回のみ実施されています。
しかし、IPAは2026年度から応用情報を含むレベル3以上の試験を順次CBT方式に切り替えると発表しました。これにより、受験者は全国のテストセンターから会場や日程を柔軟に選べるようになります。従来のように年2回の受験機会に縛られず、キャリア形成や転職準備に合わせて受験計画を立てやすくなる点が大きなメリットです。これにより、より多くの社会人や学生がタイミングを逃さず受験できる環境が整っていくと期待されています。

CBT方式(Computer Based Testing)とは、指定された試験会場のPCで受験する方式のことを指します。
下記に主な特徴をまとめています。

  • 試験監督が常駐
  • 会場内はカメラによる監視あり
  • 問題は受験者ごとにランダム出題
  • 画面操作はマウス・キーボード

試験制度

応用情報技術者試験は、以下のような内容で実施されます。
2026年度変更点についても比較できるように表でまとめております。

項目現行方式(2025年度時点)変更後方式(2026年度以降)
試験構成午前試験と午後試験の構成科目A試験と科目B試験の構成
試験時間午前:150分
午後:150分
科目A:150分
科目B:150分
問題数午前:80問
午後:11問中5問選択
科目A:80問
科目B:11問中5問選択
解答方式午前:四肢択一式
午後:記述式(論述含む)
※紙で実施
科目A:四肢択一式
科目B:記述式(論述含む)
※PCで実施
合格基準午前:60点以上
午後:60点以上
科目A:60点以上
科目B:60点以上

※(公式参考資料:https://www.ipa.go.jp/shiken/2026/ap_koudo_sc-cbt.html)での最新情報が発表され次第、記事を更新予定です。

試験時間は計300分となっており、非常に集中力を求められる試験となっております。また、午後試験(科目B試験)が選択性になっている事や記述式になっている点がITパスポート試験や基本情報技術者試験との大きな違いとなっています。

2025年度の現行方式から2026年度のCBT方式に変更される事で、試験制度もいくつか変更予定となっています。
しかし公式発表より、出題形式(多肢選択式・記述式)・出題数・試験時間に変更なしとの記載がある事から、試験制度が根本から大きく変わる事はないでしょう。唯一試験構成の名称が「午前試験→科目A試験」・「午後試験→科目B試験」に変更予定となっています。

応用情報技術者試験の出題範囲について

午前試験(科目A試験)の出題範囲

下記に応用情報の科目A試験の出題傾向をまとめています。

分野出題数の目安内容例
テクノロジ分野約50問前後コンピュータ構成要素、ネットワーク、OS、データベース、セキュリティ、ソフトウェア開発、システム構成技術など
マネジメント分野約15問前後プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査など
ストラテジ分野約15問前後経営戦略、企業活動、法務、システム戦略、ビジネスインダストリ、標準化など

大きく分類するとテクノロジ・マネジメント・ストラテジの3分野から出題されます。
中でもテクノロジ分野からの出題が50問程度と多くなっている点が重要なポイントです。

また公式発表より、令和8年度(2026年度)の試験制度変更に伴った試験で問われる知識・技能の範囲そのものに変更は無しとのことです。
参考資料:応用情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

午後試験(科目B試験)の出題範囲

下記に応用情報の科目B試験の出題範囲をまとめています。

問題番号分類必須回答or選択回答
問1情報セキュリティ必須回答
問2経営戦略選択回答
問3プログラミング選択回答
問4システムアーキテクチャ選択回答
問5ネットワーク選択回答
問6データベース選択回答
問7組込みシステム選択回答
問8情報システム開発選択回答
問9プロジェクトマネジメント選択回答
問10サービスマネジメント選択回答
問11システム監査選択回答

応用情報技術者試験の科目B試験は全11問の内、問1の「情報セキュリティ」が必須となっていて、残りの10問から4問を選択して回答する形式となっています。

また科目B試験も同様に応用情報技術者試験全体で、令和8年度(2026年度)の試験制度変更に伴った試験で問われる知識・技能の範囲そのものに変更は無しとなっています。
参考資料:応用情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

応用情報の難易度と合格率

試験の難易度

IPA(情報処理推進機構)が定める試験区分において、応用情報技術者試験は 「レベル3」 に分類されます。これは基本情報技術者試験(レベル2)の上位に位置し、より実務的な知識や応用力が求められる国家試験です。

試験内容は、単なる知識の暗記ではなく、システム開発や運用管理に直結する理解力・分析力・記述力 が問われます。特に午後試験では、長文シナリオを読解して解答する形式が採用されており、論理的に考えをまとめる力が重要になります。

また、出題分野はテクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系と幅広く、セキュリティやネットワーク、データベースから経営戦略やシステム監査まで網羅的に出題されます。そのため、一部の分野だけに偏った学習では合格が難しく、全体をバランス良くカバーすることが必要です。

応用情報は20代後半~30代前半の中堅技術者が受験するIT実務経験者向けの試験として位置づけられているため、合格することでキャリアや転職活動において高い評価を得ることができるでしょう。

難易度比較表

応用情報技術者試験の合格率を見ると、約20%~25%前後と低い水準になっている事から、合格する事が難しい難易度の高い試験である事が分かります。

項目ITパスポート基本情報技術者試験応用情報技術者試験
IPAの試験区分レベル1レベル2レベル3
対象者の目安企業の全職種に必要なIT基礎力(非IT職含む)情報系学生やITエンジニアの登竜門IT実務経験者(設計・管理者層)
合格率
(2019年度~2024年度)
49.1%〜58.8%25.7%~48.1%22.3%~26.3%
勉強時間の目安30〜50時間100〜200時間200〜300時間
難易度総合評価(★)★☆☆☆☆★★★☆☆★★★★☆

合格率の推移

応用情報技術者試験の合格率は、直近6年間で22.3%~26.3%を推移しています。
年によって多少の変動はありますが、他の国家資格と比べると低めの合格率で、難易度が高い資格と言えるでしょう

年度出願者数受験者数合格者数合格率
2019年度(令和元年度)99,24463,55514,16022.3%
2020年度(令和2年度)42,39329,0246,80723.5%
2021年度(令和3年度)89,68559,69814,00623.5%
2022年度(令和4年度)103,84468,51817,34325.3%
2023年度(令和5年度)105,57170,10317,55825.0%
2024年度(令和6年度)121,23680,97321,29026.3%

参考資料:https://www.ipa.go.jp/shiken/reports/toukei.html?utm_source=chatgpt.com

データ補足

  • IPA公式サイトの推移表ファイルの数値を元に作成しています。
  • 合格率=合格者数÷受験者数で算出しています。

応用情報合格に必要な勉強時間

応用情報技術者試験の合格までに必要な学習時間は受験者のバックグラウンドによって異なります。
以下は、これまでの合格者の体験談や受験者コミュニティでの情報をもとにしたおおよその目安です。

基本情報とは違い、IT関連の業務に従事している社会人でも苦労する部分の多い資格であるため、想定以上に学習時間を要するでしょう。余裕を持って計画を立てて試験に臨みましょう。

※なお、同じ属性でも個人差が大きいため、あくまで参考値としてご覧ください。

受験者の属性勉強時間の目安補足説明
社会人(IT関連職、エンジニアなど)約150~250時間業務経験で技術分野に強みがあるが、午後試験の記述力やストラテジ系・マネジメント系の理解強化が必要。
社会人(非IT職)約250~350時間基礎知識の習得から始める必要あり。特にネットワーク・データベース・アルゴリズムは重点的な学習が必須。
大学生(理系・情報系)約200~300時間授業や研究で基礎は習得済みでも、経営戦略や法務、システム監査といった分野は独自対策が求められる。

※合格体験記やコミュニティ内の記載内容を元に推定しています。

勉強方法とおすすめの参考書

午前試験(科目A)試験の学習方法

午前試験(科目A試験)の学習では、次の2点を抑えて取り組みましょう。

①参考書やオンライン教材を活用した知識のインプット
②過去問(参考書)を活用した知識のアウトプット

応用情報技術者試験の午後試験を突破するには、まず出題分野の全体像を把握し、効率的に学習を進めることが欠かせません。はじめの段階では、参考書や公式テキストを使って基礎知識を整理し、各分野の理解を固めておきましょう。単なる暗記ではなく用語や概念を「自分の言葉で説明できる」レベルにすることが重要です。

基礎を身につけたら、過去問題に取り組んで演習を繰り返します。午前試験は過去問の同内容の問題が出題される傾向があるため、過去問演習が非常に重要な対策となります。また、実際の試験時間を意識して解くことで、文章読解のスピードや答案作成の力を磨くことができます。

過去門演習を繰り返し行い、弱点を補強しながら徐々に実践力を高めていくことで、安定して合格点をとる事ができるようになるでしょう。

科目B試験の学習方法

科目B試験の学習では、次の3点を抑えて学習を進めましょう。

①選択する問題を決める
②長文問題の読解力を強化する
③過去問をじっくり分かるまで解く

まず午後試験は選択性となっているため、解く問題を選定する事が重要です。次に、長文は“設問要求→根拠箇所→答えの型”の順で拾う読解フローを体に染み込ませ、参考書と過去問で段落ごとの要旨取り・図表読みを鍛えます。過去問は解けた/解けないの判定で終わらせず、同パターンを見抜くキーワードや論点(因果、リスク→対策、要件→設計→テストなど)をメモ化し、なぜその解に至るかを言語化して定着させましょう。演習は本試験と同じ制限時間で行い、答案は「結論→理由(根拠)→具体例/手順」の型で書く練習を重ねると、読みやすさと部分点が安定します。直前期は、選ぶ問題の順番・見直しのタイミング・時間配分までルーティン化し、当日の迷いをなくすことで合格率を一段と押し上げましょう。

おすすめの参考書

応用情報の参考書を購入する際は、午前試験と午後試験で最低2冊以上購入する事をお勧めします。
午後試験を筆頭に各問題の内容を深く理解することに困っている方は、参考書の他にudemyでオンライン教材を試してみましょう。難しい内容が多いため、ITパスポートや基本情報以上にudemyを活用した学習が応用情報の攻略に重要となります。

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午前試験の知識整理から午後試験の記述対策まで網羅されており、出題範囲を体系的に学べる構成になっています。
各章ごとに要点解説と練習問題が収録されているため、インプットとアウトプットを効率的に繰り返すことが可能です。
特に午後問題では、過去問をベースにした解説が充実しており、実務を意識したシナリオ型問題への対応力を養えます。
応用情報技術者試験の合格を本気で目指す受験者にとって、学習の指針となる信頼度の高い教本といえるでしょう。

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さいごに

応用情報技術者試験は、IT分野での専門性を一段高めたい人にとって、体系的に知識を整理しながら実務に直結するスキルを身につけられる貴重な機会です。エンジニアやIT関連職はもちろんのこと、IT以外の分野で働く社会人にとっても、業務改善やキャリアアップにつながる強力な武器となります。

現代のビジネスシーンでは、どの職種でも情報システムやセキュリティの理解が求められる場面が増加しています。応用情報の学習を通じて、ネットワークやデータベース、暗号技術、マネジメントや経営戦略まで幅広く理解できるため、単なる知識習得にとどまらず、実務で応用できる力が養われます。

これからITスキルをさらに磨きたい方は、ぜひ応用情報技術者試験に挑戦してみてください。合格までの学習プロセスそのものが大きな成長につながり、将来のキャリアを確実に前進させる一歩になるはずです。

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