基本情報技術者試験とは?難易度・合格率・必要な勉強時間まで徹底解説

記事内にプロモーション(PR)を含む場合があります。

誰もが一度は聞いたことのある資格、基本情報技術者試験はどんな資格なのか、こちらの記事で徹底解説します。

基本情報はITエンジニアを目指す社会人や学生、他業界出身でITに関するを業務を担う社会人、何に対してもITが絡む現代社会では、多数が受験に挑戦する価値のある試験です。

本記事では、基本情報技術者試験の全貌を詳しく解説します。試験概要・出題範囲・難易度・合格率・勉強方法まで、この記事1本で理解できるようにしました。ぜひ最後までご覧ください!

目次

基本情報技術者試験の概要

基本情報技術者試験とは

基本情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA) が実施する国家試験です。

引用: IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「試験区分一覧」より

また基本情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催する情報処理技術者試験の中でも、
「レベル2」に位置づけられており、IT分野の基礎的知識と技能を持つことを証明します。

level試験名概要
1ITパスポート試験ITの基礎知識を問う試験。
初心者レベル
2基本情報技術者試験基礎的なIT知識と簡単なプログラミング、アルゴリズムが問われる試験。
ITエンジニアの登竜門。
3応用情報技術者試験設計、運用、マネジメントなど応用的な知識が問われる試験。
中堅技術者レベル。
4高度試験区分高度な専門分野の知識やマネジメントスキルが問われる試験。
スペシャリスト・専門家レベル。


基本情報技術者試験は「ITエンジニアの登竜門」と呼ばれ、13万人以上(2024年度)が受験する人気資格となっています。

試験日程・実施回数

CBT方式への移行によりほぼ通年で受験可能になりました。

項目内容
試験実施通年実施
受験方式CBT方式
(コンピュータ試験)
申込方法IPA公式サイトからWeb予約

従来の年2回実施(春・秋)から大きく変わり、自分の都合に合わせて受験できるのが魅力です。

受験料

受験料は 7,500円(税込)(2025年現在)。資格としてはやや高めですが、国家資格の中では標準的な値段となっています。

試験合格のメリット

基本情報技術者は履歴書に書ける国家資格です。
試験に合格する事でIT業界はもちろん、異業種からの転職でも大きなアピール材料になります。
転職やキャリアアップへの繋げ方は次の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

また転職のみならず、新卒就活を優位に進めるためのアピールにも繋げる事ができます。
詳しくは下記の記事を確認してください。

基本情報の試験制度と出題範囲

CBT方式の概要

CBT方式は指定された試験会場のPCで試験を受験する方法の事を指します。

  • 試験監督が常駐
  • カメラで監視
  • 問題はランダム出題
  • 画面操作はマウス・キーボード

「キーボード操作が苦手」という人も多いですが、実際はほとんどが選択式で入力問題は少なめとなっております。

試験制度

試験は以下の通りです。
科目A試験と科目B試験に分かれている事がポイントになります。

項目科目A科目B
試験時間90分100分
問題数60問20問
合格基準60%以上60%以上
解答方式四肢択一多肢選択式
CBT対応ありあり

※2020年~2023年期間で基本情報技術者試験は大幅に試験制度が見直されました。
 特に科目Bが「選択式」から「統一形式」へ変更された点が大きなポイントです。

科目A試験(午前試験)の出題範囲

分野出題数の目安内容例
テクノロジ約35〜40問コンピュータ構成、ネットワーク、OS、データベース、セキュリティ、ソフトウェア開発など
マネジメント約8〜10問プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査など
ストラテジ約10〜15問経営戦略、企業活動、法務、システム戦略など

テクノロジ系の出題が60~70%を占めている事が大きな特徴です。

科目B試験(午後試験)の出題範囲

科目Bはアルゴリズム16問、セキュリティ4問、合計20問の構成となっています。

大分類小分類問題数難易度
アルゴリズム(16問)擬似言語、トレース5~6問★★☆
基本的なアルゴリズム2~3問★☆☆
データ構造2~3問★★☆
応用アルゴリズム1~2問★★★
プログラム修正、バグ検出1~2問★★☆
計算量、性能評価1問程度★★★
他分野との複合問題1~2問★★☆
セキュリティ(4問)4問★★☆

科目Bはアルゴリズムが大きな比重を占めているため、アルゴリズムの攻略が最も重要なポイントとなります。
また科目Aは科目Bと違い1問あたりの文章量が多くなっている点が特徴的です。

基本情報技術者試験の難易度と合格率

難易度の目安

基本情報の難易度について、ITパスポート・応用情報と比較してみました。
難易度の公式見解としては、IPAの試験区分の通りITパスポートと応用情報の間に位置しており、レベル2に当たります。
ITエンジニアとしての基礎力を測る国家資格で、ITパスポートよりも出題範囲が広く、アルゴリズムやプログラミングといった技術的な要素も問われます。

一方で、応用情報技術者試験ほどの専門性や実務力は要求されません。IT未経験者には難しく感じやすいですが、情報系の学生やITエンジニアにとっては妥当なレベルです。勉強時間は70〜250時間が目安とされます。

項目ITパスポート基本情報技術者試験応用情報技術者試験
IPAの試験区分レベル1レベル2レベル3
対象者の目安企業の全職種に必要なIT基礎力(非IT職含む)情報系学生やITエンジニアの登竜門IT実務経験者(設計・管理者層)
合格率
(2019年度~2024年度)
49.1%〜58.8%25.7%~48.1%22.3%~26.3%
勉強時間の目安20〜80時間70〜250時間150〜350時間
難易度総合評価(★)★☆☆☆☆★★★☆☆★★★★☆

合格率の推移

基本情報技術者試験の合格率は、直近6年間で25.7%~48.1%を推移しています。
CBT方式への移行後に合格率が急激に上昇した点は重要なポイントです。

年度出願者数受験者数合格者数合格率
2019年度168,869121,556人31,224人25.7%
2020年度60,411 52,993人25,499人48.1%
2021年度97,577 85,428人34,734人40.7%
2022年度117,624 101,620人38,033人37.4%
2023年度140,774 121,611人57,278人47.1%
2024年度157,259 133,732人54,501人40.8%

参考資料:https://www.ipa.go.jp/shiken/reports/toukei.html?utm_source=chatgpt.com

データ補足

  • IPA公式サイトの推移表ファイルの数値を元に作成しています。
  • 合格率=合格者数÷受験者数で算出しています。

基本情報の合格までに必要な勉強時間

学習時間の目安

基本情報技術者試験合格までの学習時間の目安は受験者の属性によって変わりますが、おおよそ次の通りの学習時間が必要です。IT関連の仕事に従事する社会人と比較して、非IT職種の社会人や文系大学生からすると、想定以上の勉強時間が必要になるかもしれません。
もちろん属性内でもITに関する知識のレベル差は大きいため、あくまで目安として考えていただくようにお願いします。

受験者の属性勉強時間補足説明
社会人(IT職種、開発・インフラ等)約70~120時間日常業務と内容が重なるため理解が早い。アルゴリズムなど一部補強が必要な場合もあり。
社会人(非IT職種)・大学生(文系)約100~250時間IT用語、ネットワーク、セキュリティなどの基礎に時間をかける必要あり。
大学生(理系、情報系)約80~150時間情報理論・プログラミング経験があるため理解は早い傾向。ただし用語暗記は別途必要。

※合格体験記やコミュニティ内の記載内容を元に推定しています。

勉強方法とおすすめの参考書

科目A試験の学習方法

科目A試験の学習では、次の2点を抑えて取り組みましょう。

①参考書を利用した基礎知識の理解を行う
②参考書や過去問を活用したアウトプットを行う

基本情報技術者試験の科目Aを攻略するには、まず全体の出題範囲を把握し、体系的に学習を進めることが大切です。まずは信頼できる参考書を使って各分野の基礎知識を丁寧にインプットしましょう。特にIT初心者にとっては、専門用語や概念に慣れることが第一歩です。基礎が理解できたら、次に過去問や問題集を活用して演習に取り組みましょう。科目Aでは過去に出題された内容と同形式の問題が60%以上出題されているため、過去問を活用した学習が重要です。また、過去問演習は本番の出題傾向を掴むのにも役立ちます。知識の抜けを埋めながら、徐々に問題を解くスピードも意識していきましょう。インプットとアウトプットを繰り返すことで、合格に必要な知識と実力が身につきます。

科目B試験の学習方法

科目B試験の学習では、次の3点を抑えて学習を進めましょう。

①とにかく出題の多いアルゴリズム対策を行う
②長文問題の読解力を参考書や過去問を用いて鍛える
③過去問と同様パターンの問題が複数出題されるので、じっくり分かるまで解く

基本情報技術者試験の科目B試験を攻略するには、まず出題頻度が非常に高いアルゴリズム問題への対策が最優先です。擬似言語に慣れ、処理の流れを正確に読み取れるようになることが鍵となります。次に重要なのは、長文問題への読解力を養うことです。参考書や過去問を使って、設問の意図や情報の構造を把握する練習を積みましょう。特に午後試験では、一文の読み違いが大きな失点につながるため注意が必要です。また、過去問と類似パターンの問題が毎回複数出題されるのも特徴です。出題傾向をつかんだうえで、同様の問題を繰り返し解くことで、自然と解法パターンが身につきます。答えを覚えるのではなく、なぜそうなるのかを理解することが大切です。最初は時間がかかっても、じっくり取り組むことが得点力向上につながります。アルゴリズム・読解・パターン慣れの3本柱で、確実な得点を狙いましょう。

次の記事で詳しく解説しているので、ぜひ読んでみてください。

おすすめの参考書

参考書を購入する際は科目Aと科目Bの対策を実施する必要があるため、それぞれ2冊ずつ購入すると良いでしょう。

かやのき先生の基本情報技術者教室

特徴
イラストや図を多用し、IT初心者でも理解しやすい構成が特徴の参考書です。また、出題範囲をバランスよくカバーしており、特に午前(科目A)の基礎固めに最適です。重要用語を噛み砕いて解説しているため、暗記に頼らず「理解して覚える」学習ができます。初学者や文系出身者でも挫折しにくい、安心して使える1冊となっています。
コミュニティ内で実施した基本情報技術者試験の合格者31人へのアンケートでNo.2に輝いています!

アルゴリズム×疑似言語トレーニングブック

特徴
午後試験(科目B)の中でも頻出の「アルゴリズム」と「擬似言語」に特化した演習書です。基本的な文法から出題傾向に沿った実践的な問題まで段階的に学習する事ができます。また、図を使って処理の流れを視覚化しており、苦手意識のある人にも最適です。アルゴリズム問題で得点源を作りたい方は、ぜひ一度検討する事をお勧めします。
コミュニティ内で実施した基本情報技術者試験の合格者31人へのアンケートでもNo.1に輝いています。

合格者31人へのアンケートを元にした基本情報技術者試験のおすすめの参考書を知りたい方は、ぜひ次の記事を読んでみてください。

過去問の活用

基本情報技術者試験に合格するためには、過去問の活用が非常に重要です。
特に科目Aでは、過去問とほぼ同じ形式・内容の問題が60%以上出題される傾向があります。一方、科目B試験も過去問と非常に似た構成やテーマが多く出題されます。過去問を通じて、どの分野が頻出か、どこに時間をかけるべきかも見えてくるでしょう。模試感覚で時間を計りながら取り組む事で本番への対応力も養われます。基本情報試験の合格を目指すのであれば、必ず過去問を複数年分解くようにしましょう。

まとめ

基本情報技術者試験は、IT系国家資格の登竜門 であり、ITの知識を基礎から体系的に身につけられる絶好の機会です。

独学でも十分合格可能で、取得すればキャリアアップや転職に役立つ強力な武器になります。

ぜひこの機会に挑戦し、あなたの可能性を大きく広げてください!
あなたの合格を心から応援しています!

この記事を書いた人

都内IT企業に勤務しながら、IT資格5つ取得。1,600人以上が参加するIT資格コミュニティを運営し、日々IT資格受験者の声を収集しています。
記事は①IT資格コミュニティの声 ②合格体験記 ③自身の経験 ④公式情報やリサーチ情報を参考に執筆し、信頼性の高い情報提供を心がけています。

目次