基本情報技術者試験とは?難易度や合格率、必要な勉強時間まで徹底解説

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誰もが一度は聞いたことのある資格、基本情報技術者試験はどんな資格なのか、こちらの記事で徹底解説します。

基本情報はITエンジニアを目指す社会人や学生、他業界出身でITに関するを業務を担う社会人、何に対してもITが絡む現代社会では、多数が受験に挑戦する価値のある試験です。

本記事では、基本情報技術者試験の全貌を詳しく解説します。試験概要から勉強法、合格後のメリット、最新の出題傾向まで、この記事1本で理解できるようにしました。ぜひ最後までご覧ください!

目次

1.基本情報技術者試験の概要

基本情報技術者試験とは

基本情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA) が実施する国家試験です。

引用: IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「試験区分一覧」より

また基本情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA) が主催する情報処理技術者試験の中でも、
「レベル2」に位置づけられており、IT分野の基礎的知識と技能を持つことを証明します。

レベル試験名概要
レベル1ITパスポート試験(IP)ITの基礎的な知識を問う国家試験。IT初心者、文系や社会人にも人気。
レベル2基本情報技術者試験(FE)ITエンジニアの登竜門。基礎的なIT知識と簡単なプログラミング、アルゴリズムを問う。
情報セキュリティマネジメント試験(SG)セキュリティに関する基礎的知識を問う。管理者や非エンジニアも対象。
レベル3応用情報技術者試験(AP)実務経験者向け。設計、運用、マネジメントなど応用的な知識を問う。中堅技術者レベル。
レベル4高度試験区分高度な専門分野の知識やマネジメントスキルを問う。専門家・スペシャリスト・管理職向け。


基本情報技術者試験は「ITエンジニアの登竜門」と呼ばれ、年間約12万人が受験する人気資格となっています。

試験日程・実施回数

2023年から完全にCBT方式となり、ほぼ通年で受験可能になりました。

項目内容
試験実施年間を通じて実施
受験方式CBT(コンピュータ試験)
申込方法IPA公式サイトからWeb予約

従来の年2回実施(春・秋)から大きく変わり、自分の都合に合わせて受験できるのが魅力です。

受験料

受験料は 7,500円(税込)(2025年現在)。資格としてはやや高めですが、国家資格の中では標準的な値段となっています。

2.試験制度と出題範囲

CBT方式の概要

CBT方式は指定された試験会場のPCで試験を受験する方法の事を指します。

  • 試験監督が常駐
  • カメラで監視
  • 問題はランダム出題
  • 画面操作はマウス・キーボード

「キーボード操作が苦手」という人も多いですが、実際はほとんどが選択式で入力問題は少なめとなっております。

試験制度

試験は以下の通りです。
科目A(午前)試験と科目B(午後)試験に分かれている事がポイントになります。

項目科目A(午前)試験科目B(午後)試験
試験時間90分100分
問題数60問20問(全問必須)
合格基準60%以上60%以上
解答方式四肢択一(マーク)多肢選択式(記述なし)
CBT対応ありあり

※2023年4月に基本情報技術者試験のは大幅に試験制度が見直されました。
 特に科目Bが「選択式」から「統一形式」へ変更された点が大きなポイントです。

科目A(午前)試験の出題範囲

分野出題数の目安内容例
テクノロジ系約35〜40問コンピュータ構成、ネットワーク、OS、データベース、セキュリティ、ソフトウェア開発など
マネジメント系約8〜10問プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査など
ストラテジ系約10〜15問経営戦略、企業活動、法務、システム戦略など

テクノロジ系の出題が60~70%を占めている事が大きな特徴です。

科目B(午後)試験の出題範囲

科目Bはアルゴリズム16問、セキュリティ4問、合計20問の構成となっています。

大分類小分類主な内容問題数目安難易度
アルゴリズム(16問)擬似言語読解・トレース・擬似言語を読んで処理結果を答える・変数の値の変化追跡・処理の流れ理解5~6問★★☆
基本的アルゴリズム・ソート(バブルソート、クイックソートなど)・探索(線形探索、二分探索など)2~3問★☆☆
データ構造・スタック、キュー・連結リスト・木構造(2分木、ヒープなど)・グラフ構造2~3問★★☆
応用アルゴリズム・再帰処理・動的計画法(ナップサック問題、部分和問題など)・バックトラック法1~2問★★★
プログラム修正・バグ検出・誤り箇所の指摘・修正方法の選択・意図する処理に直すための修正1~2問★★☆
計算量・性能評価・計算量の分析(オーダ記法)・時間・空間効率の比較1問程度★★★
他分野との複合問題・データベース操作を含む処理・ネットワーク関連処理・ファイル操作・マネジメント知識を要する処理の理解1~2問★★☆
セキュリティ(4問)・情報セキュリティの基本概念・脅威と対策(マルウェア、脆弱性、暗号化など)・セキュリティポリシー、情報管理4問★★☆

科目Bはアルゴリズムが大きな比重を占めているため、アルゴリズムの攻略が最も重要なポイントとなります。
また科目Aは科目Bと違い1問あたりの文章量が多くなっている点が特徴的です。

3.難易度と合格率

難易度の目安

午前試験は 過去問を繰り返せば攻略可能 ですが、午後試験は文章読解力やアルゴリズム理解が問われるため難易度が上がります。

難易度イメージ:

  • IT未経験者 → 難しいが対策すれば可能
  • 理系学生 → 比較的有利
  • ITエンジニア経験者 → 合格しやすい

合格率の推移

直近10年の合格率は 22.9%~31.5% を推移しています。

年度(西暦・年号)出願者数受験者数合格者数合格率
2015(平成27年)165,694118,72730,03525.3%
2016(平成28年)160,067116,30427,44623.6%
2017(平成29年)153,183111,10525,49322.9%
2018(平成30年)153,601111,31826,06323.4%
2019(令和元年)147,356105,86723,75122.4%
2020(令和2年)72,01571,89921,72230.2% *
2021(令和3年)151,010118,58337,40531.5%
2022(令和4年)168,773132,25437,69228.5%
2023(令和5年)175,000140,82038,44727.3%
2024(令和6年)168,000135,00036,18026.8%

IPA(情報処理推進機構)が公表する「情報処理技術者試験 統計資料」より作成

データ備考
※2020年は春期中止で秋期のみ実施
※合格率は受験者ベースで計算
※2023年、2024年は公表値が揃っていないため、一部を推計値で作成

4.合格までに必要な勉強時間

学習時間の目安

基本情報技術者試験合格までの学習時間の目安はレベルによって変わります。
おおよそ次の通りです。

レベル学習時間目安
IT初心者150~300時間
文系社会人100~200時間
理系学生50~150時間
IT経験者50~100時間

詳しくは実際に基本情報技術者試験に合格した方の体験記を確認するのが良いでしょう。

5. 学習方法とおすすめの参考書

科目Aの学習方法

次の2点を抑えて学習を進めましょう。

①科目A対策の参考書を1冊完璧にする
②過去問を複数年繰り返し解く

科目Aは同じ問題が多く出題されるので、過去問をたくさん解く事が重要です。

科目Bの学習方法

次の3点を抑えて学習する事がポイントです。

①とにかく出題の多いアルゴリズム・擬似言語対策を行う
②長文問題の読解力を参考書や過去問を用いて鍛える
③過去問と同様パターンの問題が複数出題されるので、じっくり分かるまで解く

次の記事で詳しく解説しているので、ぜひ読んでみてください。

おすすめの参考書

参考書を購入する際は科目Aと科目Bの対策を実施する必要があるため、それぞれ2冊ずつ購入すると良いでしょう。

特徴
ストーリー仕立ての参考書で初心者でも読みやすく、人気の対策本です。

特徴
科目B対策に特化しており、出題の多いアルゴリズム対策に効果が高い参考書です。
コミュニティ内で実施した基本情報技術者試験の合格者31人へのアンケートでもNo.1に輝いています

合格者31人へのアンケートを元にした基本情報技術者試験のおすすめの参考書を知りたい方は、ぜひ次の記事を読んでみてください。

過去問の活用

午前試験は過去問の類似問題が非常に多いため、最低3年分は繰り返し解きましょう。
午後問題も同様にテーマの傾向が似ているので、過去問でパターンを覚えるのが近道です。

オンライン教材やアプリの活用

近年、以下のようなツールが人気です。

  • 基本情報技術者過去問道場(無料)
  • ポケット問題集アプリ

スキマ時間の活用に最適で、短期間でも合格を目指せます。
特に科目A対策は似た問題の出題が多いため、スキマ時間を利用して量を解く事が合格への近道です。

6.合格後の活かし方

就職・転職の武器になる

基本情報技術者は履歴書に書ける国家資格です。IT業界はもちろん、異業種からの転職でも大きなアピール材料になります。

業種評価度
IT業界高評価
公務員加点対象になる場合あり
一般企業IT部門で有利

転職やキャリアアップへの繋げ方は次の記事で解説しています。

また転職のみならず、新卒就活を優位に進めるためのアピールにも繋げる事ができます。
詳しくは下記の記事を確認してください。

他資格へのステップアップ

基本情報技術者試験は、次の上位資格への登竜門です。

資格名レベル
応用情報技術者試験レベル3
情報処理安全確保支援士レベル4
データベーススペシャリストレベル4
ネットワークスペシャリストレベル4

資格手当が出る企業も

企業によっては、資格手当が 月3,000円~1万円程度 支給されるケースもあります。転職市場での評価だけでなく、収入面でもメリットがあります。

7.よくある質問(FAQ)

Q1. 独学で合格できますか?

可能です。しかし参考書や過去問対策が必須です。IT初心者の方は動画教材の利用もおすすめします。

Q2. 文系出身ですが大丈夫ですか?

文系出身でも全く問題ありません!
暗記中心の午前試験は文系のほうが有利な場合もあります。

Q3. 参考書は何冊必要?

1冊でも合格は可能ですが、午前対策と午後対策用それぞれ1冊ずつ、計2冊の購入がおすすめです。
ただし過去問題集は別に用意しましょう。

Q4. 何度でも受験できますか?

はい、制限はありません。CBT方式になってからは早期に再受験が可能です。

Q5. CBT試験ってどんな感じ?

思ったより簡単です。画面も見やすく、操作もクリック中心。ペーパーテストよりストレスが少ないという声が多いです。

8.まとめ

基本情報技術者試験は、IT系国家資格の登竜門 であり、ITの知識を基礎から体系的に身につけられる絶好の機会です。

独学でも十分合格可能で、取得すればキャリアアップや転職に役立つ強力な武器になります。

ぜひこの機会に挑戦し、あなたの可能性を大きく広げてください!
あなたの合格を心から応援しています!

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