基本情報技術者試験 勉強方法まとめ|効率的に合格を目指す人のための完全ガイド

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「基本情報の勉強方法が分からない…」
「合格者はどのように勉強したのか気になる」

そんな悩みを抱えていませんか?

基本情報技術者試験は、IT業界の登竜門とも呼ばれる国家資格。毎年10万人前後が受験する人気資格で、合格率は例年25~30%程度です。

この記事では、基本情報技術者試験の合格者の声を元に作成しておりますので、
合格を目指す方はぜひ最後まで読んでみてください。

目次

基本情報技術者試験の概要

試験区分と位置づけ(レベル2)

基本情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA) が主催する情報処理技術者試験の中でも、
「レベル2」に位置づけられており、IT分野の基礎的知識と技能を持つことを証明する国家資格となっています。

レベル試験名概要
レベル1ITパスポート試験(IP)ITの基礎的な知識を問う国家試験。IT初心者、文系や社会人にも人気。
レベル2基本情報技術者試験(FE)ITエンジニアの登竜門。基礎的なIT知識と簡単なプログラミング、アルゴリズムを問う。
情報セキュリティマネジメント試験(SG)セキュリティに関する基礎的知識を問う。管理者や非エンジニアも対象。
レベル3応用情報技術者試験(AP)実務経験者向け。設計、運用、マネジメントなど応用的な知識を問う。中堅技術者レベル。
レベル4高度試験区分高度な専門分野の知識やマネジメントスキルを問う。専門家・スペシャリスト・管理職向け。

参考:試験区分一覧 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

試験の科目構成と出題範囲

基本情報技術者試験は科目A試験(午前試験)と科目B試験(午後試験)の2つの試験から構成されています。
両方ともに60%以上の得点が必要になります。

項目科目A(午前)試験科目B(午後)試験
試験時間90分100分
問題数60問20問(全問必須)
合格基準60%以上60%以上
解答方式四肢択一(マーク)多肢選択式(記述なし)
CBT対応ありあり

科目A試験の出題範囲

科目A試験はテクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の3つの分野から構成されています。

分野出題数の目安内容例
テクノロジ系約45問コンピュータ構成、ネットワーク、OS、データベース、セキュリティ、ソフトウェア開発など
マネジメント系約15問プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査など
ストラテジ系約20問経営戦略、企業活動、法務、システム戦略など

科目B試験の出題範囲

科目B試験はアルゴリズムとセキュリティの2つの分類から構成されています。

大分類小分類主な内容問題数目安難易度
アルゴリズム(16問)擬似言語読解・トレース・擬似言語を読んで処理結果を答える・変数の値の変化追跡・処理の流れ理解5~6問★★☆
基本的アルゴリズム・ソート(バブルソート、クイックソートなど)・探索(線形探索、二分探索など)2~3問★☆☆
データ構造・スタック、キュー・連結リスト・木構造(2分木、ヒープなど)・グラフ構造2~3問★★☆
応用アルゴリズム・再帰処理・動的計画法(ナップサック問題、部分和問題など)・バックトラック法1~2問★★★
プログラム修正・バグ検出・誤り箇所の指摘・修正方法の選択・意図する処理に直すための修正1~2問★★☆
計算量・性能評価・計算量の分析(オーダ記法)・時間・空間効率の比較1問程度★★★
他分野との複合問題・データベース操作を含む処理・ネットワーク関連処理・ファイル操作・マネジメント知識を要する処理の理解1~2問★★☆
セキュリティ(4問)・情報セキュリティの基本概念・脅威と対策(マルウェア、脆弱性、暗号化など)・セキュリティポリシー、情報管理4問★★☆

合格率の目安

直近5年間の基本情報技術者試験合格率は26.8%~31.5%となっています。
そのため一定程度合格難易度の高い資格となっていますが、きちんと学習を行う事で合格は十分に可能な試験です。

年度(西暦・年号)出願者数受験者数合格者数合格率
2020(令和2年)72,01571,89921,72230.2% *
2021(令和3年)151,010118,58337,40531.5%
2022(令和4年)168,773132,25437,69228.5%
2023(令和5年)175,000140,82038,44727.3%
2024(令和6年)168,000135,00036,18026.8%

IPA(情報処理推進機構)が公表する「情報処理技術者試験 統計資料」より作成
※2020年は春期中止で秋期のみ実施
※合格率は受験者ベースで計算
※2023年、2024年は公表値が揃っていないため、一部を推計値で作成

合格のメリット

基本情報技術者試験の合格は、皆さんのITスキルを客観的に証明する国家資格として役に立つでしょう。
キャリアアップや転職・新卒就活の成功にも大きく役立つはずです。
キャリアに関する記事も下記にありますので、ぜひ参考にしてみてください。

学習スケジュールと合格に必要な勉強時間

基本情報技術者試験はやみくもな勉強の進め方では合格できません。
スケジュールを立てて学習を進める事で、基本情報技術者試験の合格に大きく近づく事ができます。

基本情報の合格に向けた学習スケジュール

STEP
【準備】出題範囲の全体像を把握する

まずは試験の全体像をつかむ事が基本情報合格に向けた効率的な学習の第一歩です。
基本情報技術者試験は、科目A(知識問題)と科目B(実践的な読解・思考問題)の2部構成です。
それぞれの出題分野・頻出テーマ・具体的に出題されている問題を俯瞰的に把握しておく事で、どのような意識でどのように学習を進めるべきなのか考える材料を得る事ができます。
ここで焦って細かく覚えようとせず、出題割合や出題例を眺めて全体像を理解しましょう。

STEP
【インプット-科目A】参考書や動画を活用して科目A試験の内容理解を進める

出題範囲をつかんだら、まずは科目A(午前試験)で頻出する知識を身につけましょう。参考書や解説動画を活用して、テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の基礎知識を段階的に理解していきます。
ここでは一語一句覚える必要はありません。
全体の流れや用語の意味を「なんとなくわかる」レベルまで引き上げるのが目標です。特にテクノロジ系の理解が得点に直結するため、重点的に学ぶと良いでしょう。

STEP
【アウトプット-科目A】過去問を活用して科目Aの内容を繰り返し解く事で知識定着を図る

知識のインプットが進んだら、アウトプットフェーズに入ります。ここでは過去問題を中心に「解く練習」を繰り返し行いましょう。最初は分野別に取り組み、間違えた問題は解説をしっかり読み込んで理解を深めてください。
数字や表現が少し変わっている問題も含めると、科目Aでは過去問と同様の問題が6割以上出題されます。
科目Aは過去問題を解く事で十分に攻略可能なので、アウトプットを行う上で量をこなす事が大きなポイントになります。

STEP
【インプット-科目B】参考書や動画を活用して科目B試験の内容理解を進める

科目Aの基礎が固まったら、次は科目B(午後試験)の対策に進みましょう。科目Bではアルゴリズムの理解やセキュリティに関する問題など、より実践的な力が求められます。
各分野に対して出題形式を知った上で、基礎知識の確認と応用的な理解を深めていくのがポイントです。解説が充実した参考書やYouTube講座を活用し、苦手分野をじっくりとひとつずつ潰していきましょう。

STEP
【アウトプット-科目B】過去問を活用して科目Bの内容を繰り返し解く事で知識定着を図る

科目Bは文章量が多く選択肢も難解なため、じっくりと理解を深めながら過去問演習を実施する事が非常に重要です。実際の試験と同じ構成で出題されるため、問題形式に慣れることが合格の鍵を握ります。
はじめは時間を気にせずじっくり取り組み、分からなかった箇所はノートにメモを取りながら復習しましょう。
アルゴリズム問題や疑似言語の対策には、図を書いて考える訓練が効果的です。

STEP
【総仕上げ】本番を意識して科目Aと科目Bの過去問題に取り組む

学習の総仕上げとして、実際の試験時間に近い形で模擬演習を行いましょう。科目Aと科目Bの両方を通して解くことで、時間配分・集中力・実戦力を高める事ができます。
また、試験直前期には「得点が取りやすい分野」「苦手だけど頻出の分野」を重点的に復習し、総得点の最大化を狙いましょう。最後の1週間の勉強が合否を分けるといっても過言ではありません。

試験合格に必要な勉強時間の目安

受験者タイプ勉強時間の目安補足説明
社会人(IT職種、開発・インフラ等)約70~120時間日常業務と内容が重なるため理解が早い。アルゴリズムなど一部補強が必要な場合も。
社会人(非IT職種)・大学生(文系)約100~250時間IT用語、ネットワーク、セキュリティなどの基礎に時間をかける必要あり。
大学生(理系、情報系)約80~150時間情報理論・プログラミング経験があるため理解は早い傾向。ただし用語暗記は別途必要。

※上記の勉強時間は合格体験記やコミュニティ等の情報を元に推定した勉強時間となります。

科目A試験(午前試験)の特徴と効果的な勉強方法

科目A試験の特徴

分野出題数(目安)出題割合(目安)
テクノロジ系約45問約55〜60%
マネジメント系約15問約18〜20%
ストラテジ系約20問約22〜25%
合計80問100%

午前試験の出題分野はテクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の3分野あります。
上記の表の通り、テクノロジ系の出題割合が約55%~60%と高い割合を占めているため、テクノロジ系の分野を中心に学習する事が合格の鍵を握る特徴となっています。

科目A試験の効果的な勉強方法

次の2点を抑えて学習を進める事が、基本情報技術者試験科目A攻略のポイントです。

①参考書を利用した基礎知識の理解
②参考書や過去問を活用したアウトプット

参考書を利用した基礎知識の理解

基本情報技術者試験の科目Aにおいて、最初に取り組むべきは「基礎知識のインプット」です。
この試験では、ITの基本用語や技術概念・企業活動に関連する知識・情報セキュリティの基本事項など、非常に幅広いテーマが出題されます。これらを網羅的に学習するためには、信頼性の高い参考書を活用することが非常に効果的です。

特に初学者や非IT系の社会人・学生の場合、いきなり過去問を解こうとしても問題文の意味がわからず、挫折してしまうことがあります。たとえば「OSI基本参照モデル」「公開鍵暗号」「DRAMとSRAMの違い」など、専門的な単語が連続して登場するため、体系的な知識の習得が前提となります。

まずは「すべてを完璧に覚える」事を目的にせず、まずは出題範囲の全体像を掴み、基本用語や重要な概念の意味を理解する事を重視しましょう。理解を土台にする事で、その後のアウトプット学習や過去問演習の効率が格段に向上します。

参考書や過去問を活用したアウトプット

基本情報技術者試験の科目Aにおいて、もう一つの重要なステップが過去問や参考書に掲載された演習問題を活用した「アウトプット学習」です。科目Aでは四肢択一形式の問題が多数出題されますが、実はこの形式は慣れによる正答率の向上が見込める特徴があります。多くの受験者の体験談からも、過去問を繰り返し解くことで同じ形式・類似テーマの問題に迅速に対応できるようになったという声が多く聞かれます。また類似問題も含めると6割以上同様の問題が出題されており、過去問対策は極めて実践的かつ効果的です。

また、アウトプット学習は「知っている」と「解ける」のギャップを埋めるのに最適です。たとえば、暗記したはずのセキュリティ用語も、問題文の中で少し表現が変わるだけで混乱する事があります。こうした“試験独自の言い回し”に慣れるには、実際に問題演習を繰り返すことが不可欠です。

このように、アウトプット学習はただの「演習」ではなく、「理解の確認」「応用力の養成」「試験対応力の強化」のすべてを兼ね備えた、試験対策の中核となるプロセスです。最初は正答率が低くても、地道に取り組むことで確実に得点力を高める事ができます。

科目B試験(午後試験)の特徴と効果的な勉強方法

科目B試験の特徴

分野出題数(目安)出題割合(目安)
アルゴリズム約16問約80%
セキュリティ約4問約20%
合計20問100%

科目B試験の出題分野はアルゴリズムとセキュリティの2分野から成り立っています。
上記の通り、アルゴリズム分野の出題割合が約80%と非常に高い割合を占めているため、アルゴリズムの分野を中心に学習する事がポイントになります。

科目B試験の効果的な勉強方法

科目B試験を攻略するためには、次の3点を重視して学習する事をお勧めします。

①アルゴリズム問題の対策
②長文問題に向けた読解力アップ
③過去問の対策

アルゴリズム問題の対策

基本情報技術者試験科目Bの大半は、アルゴリズムやプログラミングに関する問題で占められています。全20問中およそ16問がこの分野から出題されるため、ここをしっかり対策することが試験突破のカギとなります。

出題されるテーマは、ソート・探索といった定番の処理から、スタックや木構造、再帰関数、動的計画法まで多岐にわたります。まずは擬似言語の動きを読み解く力を養い、変数の流れや処理の順番を頭の中で正確に追えるようになる事が大切です。特に再帰処理や動的計画法などは、一度理解してパターン化しておけば似た問題にも応用が利きやすくなります。参考書や問題集を使って繰り返し取り組み、反射的に処理の流れが見えるレベルまで高めていきましょう。

長文問題に向けた読解力のアップ

科目Bは、1問あたりの問題文が長く設定されているのが特徴です。素早く読むよりも、設問に関係するキーワードや条件を的確に拾い上げる力が求められます

特にアルゴリズム問題では、変数の初期値やループの範囲、フラグ処理など、細かい情報を見落とすと失点に直結します。過去問に取り組む際は、問題文の要点をメモしたり、読みながら整理するクセをつけましょう。

大事なのは、「何を問われているのか」「どこがヒントになっているのか」を素早く判断できる読解力です。焦らず、全体を見通しながら解くことで、安定した得点につながります。

過去問題の対策

科目Bでは、過去に出題された問題の構造を踏襲した設問が繰り返し登場する傾向があります。とくにアルゴリズム分野では、表面的な表現や変数名が異なっていても、本質的な処理ロジックは同じというパターンが多く見られます。

そのため、単なる暗記ではなく、「なぜその答えになるのか?」を深く理解する学習法が有効です。過去問を1周しただけで終わらせるのではなく、間違えた問題や理解が曖昧だった部分を何度も復習し、似た形式の問題にも自信を持って対応できるようにしておきましょう。

なお、実際に合格した方々の体験談やアドバイスも参考になります。学習の進め方や使用教材、試験当日の工夫など、合格体験記から得られるリアルな知見も、試験対策の大きなヒントになるはずです。
本記事の下部に合格体験記も掲載しておりますので、ぜひご確認ください。

おすすめ参考書(オンライン教材)

科目A対策におすすめ参考書

かやのき先生の基本情報技術者教室

特徴
ストーリー仕立ての解説で初心者でも楽しく読める参考書です。

メリット

  • 会話形式でスラスラ読める
  • 丁寧な用語解説
  • CBT対応の構成

合格者31人への投票で2位となった参考書で多くの基本情報技術者試験合格者から高い支持を得ています。
合格体験記内でも数名が利用した旨を記載しています。

科目B対策におすすめ参考書

アルゴリズム×疑似言語トレーニングブック

科目B対策の中でも特に重要な「アルゴリズム」対策に最適な1冊です
科目Bで苦戦している方にはぜひお勧めさせていただきたい参考書になります!

参考書の特徴

  • 苦手になりやすいフローチャートや構造解析のトレーニングに特化
  • ステップ形式で徐々に難易度が上がる構成
  • CBT形式を想定した演習問題も掲載

解きながら理解できる設計で、暗記に頼らず力がつく構成です。
合格体験記やコミュニティ内でも合格に役立ったとの声が多くあがっています。

参考書についてさらに詳しく知りたい方は次の記事をご確認ください。

オンライン教材・講座の活用

基本情報技術者試験の学習では、オンライン教材や動画コンテンツを活用する事で、参考書だけでは難しい内容も視覚的・直感的に理解しやすくなります。特にIT初学者にとっては、動画での解説は専門用語や概念の理解に大きな助けとなります。

おすすめの教材としては、丁寧な解説が魅力の「Udemy」スキマ時間を活用しやすい「スタディング」などが人気です。また、実践力を養ううえでは、IPA公式の過去問演習も欠かせません。これらを組み合わせて学ぶことで、効率的かつ効果的に合格を目指せます。

サービス特徴
スタディングスマホ対応、短期集中型
Udemy分野別に特化した講座が豊富
IPA公式サイト過去問を無料で利用可能

【体験談】基本情報技術者試験の合格者からのアドバイス

IT業界システムエンジニア(7ヵ月で基本情報に合格)

科目A試験は問題を繰り返せば傾向がわかるため、過去問を隙間時間に繰り返し解いていく事をおすすめします。科目B試験は問題に慣れる事がまずは大事なので、まとめて試験一回分を解こうとせず一問一問をじっくり解いていくところから初めて、解説を読んで理解を深めるようにすると良いです。 YouTubeで解説が載っていることがあるので、読んで分からないものはYouTubeを活用してみてください。

引用抜粋元:IT業界システムエンジニアが7ヵ月で基本情報技術者試験に合格 – みんなのIT資格

IT業界コンサルタント(3ヵ月で基本情報に合格)

科目A試験のアドバイスは、「数をこなすこと」を心がけましょう。午前試験は過去問からそのまま出題される問題があるため、過去問をひたすら解き続けていれば問題なくパスできるでしょう。 科目B試験のアドバイスは、「丁寧にじっくり学習すること」を心がけましょう。午前試験とは違い、午後試験は「質」が重要です。解説をしっかり読み、解き方や知識をインプットすることが合格への近道です。

引用抜粋元:IT業界コンサルタントが3ヵ月で基本情報技術者試験に合格 – みんなのIT資格

更に基本情報技術者試験の合格体験記を参考にしたい方は次のページにまとめてあるので、参考にしてみてください。

まとめ

基本情報技術者試験の合格には、正しい勉強方法を行う事が重要です。
合格体験記を元に作成した本記事をぜひ参考にしていただければと思います。

間違いなく皆さんの着実な努力を正しい勉強方法に沿って積み上げていく事で、良い結果を引き寄せるでしょう。
基本情報技術者試験の合格をに向けて、ぜひ頑張ってください!

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